三次は広島県内の遺跡の約3分の1が集中しているそうで、
だから、何の気なしに撮った風景が遺跡の写真として使えてしまう。
風土記の丘の北口を出て、神杉駅に向かう平地は水田が広がっている。三次市街地に向って流れる馬洗*1川に、国兼*2川と美波羅*3川が合流する地域。
川の向こうの向江田町に小丘陵が連なっていて、その斜面には鳥越古墳群や天良山城跡、大仙大平山古墳、陣山城跡などが集まっている。
- 大仙大平山*4古墳
南斜面を通る市道を作るということで、平成6年*5に古墳を確認、翌年に鳥越第9号古墳を調査。あと3基の古墳の調査が予定されていたところ、道路の設計変更があって、21・22号のみを平成10年に調査。
それぞれ埋葬施設9などを持ち、6世紀初頭から7世紀初頭の期間に数度の追葬がなされたという。
- 野稲南*6古墳群
その山から国兼川をはさんで東側、同町下山手の山塊には野稲南古墳群など。ここは中国横断自動車道尾道松江線が直接通るところではないけれども、自動車道建設に伴う住宅の移転先として造成されるとこになったので平成14年に発掘された。
展示品のなかで特徴的なのが「瓢型𤭯*7」。腹部に穴の開いたくびれのある須恵器、という形で、企画展のページの写真を見るのが手っ取り早い。
その他、線刻画土器の「土森*8遺跡」は、三良坂町*9の灰塚ダム*10の開発に伴って調査された遺跡の一つ。
銅鐸型土製品*11や分銅型土製品が出土した「和田原*12遺跡」は、「簡易保険総合レクリエーションセンター(仮称)建設工事」に伴って発掘された。
平成13年にオープンした「かんぽの郷 庄原」のことで、遺跡の一部は保存され林間ジョギングコースに。