環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

比治山本町

南北に長い比治山の麓のうち、出汐は東南麓にあたり、比治山本町は西麓と南麓にあたる。


藝藩通志』巻六に「段原村 比治山の東西、段原東浦、西浦とよぶ、」とあって、現在の比治山公園・比治山本町・段原南・段原のあたりが「段原村」であった。


角川日本地名大辞典』の「比治山本町」の項に「明治期比治山西麓は比治山新町と俗称された(広島市地名索引)」とあるように、『廣島市地名索引』に

比治山新町 段原村比治山西麓鶴見橋京橋川左岸)附近ヲ謂ヒ市ノ東部ヨリスル宇品街道ニシテ市街ニ入ルノ咽喉部ナリ

との項目がある。既に城下町の一部として「比治山町」が北麓にあったため、新たに市街化しつつある場所に対して「新町」と呼ばれたことになる。

陸軍墓地から区役所・区民文化センター方面を望む)
現代では交通径路も増えているから「咽喉」というほどの重要地点ではないのかもしれないけれども、南北の電車通りと東西の国道2号・平和大通りが交わって南区の中心部を成す(んですか)。