環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

女猫の瀬戸・猫瀬戸・猫子門



白崎園内に立っている頼山陽の詩碑は、天保12年6月に竹原から広島へ向かうときに「猫子門」(猫の瀬戸)を詠んだもの。平成12年の建立。

至竹原與秉甫同州赴廣島
來路遙遙指海暾
心期明日見慈尊
朝煙漸散波如織
柔櫓揺過貓*1子門

「暾」(トン)は朝日の意。元韻。
広島にいる母(慈尊)に明日まみえるという時。竹原から春風の養子「秉甫」(小園)が同行。
頼山陽〈下〉でいうとp322のあたり。

現在は「女猫の瀬戸」と呼ばれる海峡は、当時は前項にあったように「猫瀬戸」と書かれた。それを漢語風にすると「猫子門」。

安芸灘大橋の川尻町側の橋脚が立っているのが「雌猫島」。『蒲刈志』に潮流の激しいことも記されている。同書絵図には「メ子コ」とある。

見戸代
(略)
北岸に雌猫トテ小島アリ、此間潮勢甚猛烈ニテ西国第二ノ難所ナリ、尾閭*2ニ次、

*1:豸+苗

*2:アハノナルト