環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

二つの書体


その入口側の「願主 當村 種村立斎」の標柱が謹直で彫りの深い刻字であるのに対して、奥の「本邑 香川道順敬立」の標柱は流麗で濃淡の差の強い彫り方。書体の違いだけでなく、願主部分の様式も意識して変えてあるのだろう。


浅い部分は読み取りにくくなっているため、『広島県の標柱』でも「歳既順成時方○○*1」「神能施澤以宜及物」*2というふうに二文字が空白になっている。

拡大するとこうなる。四字句が二つ連なっているようなので、「順成」に対応する熟語らしい。

*1:歳すでに順成して時はじめて○○

*2:p77