環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

八幡山神社の場合

寺社縁起をはじめとして、昔の出来事を説明板にあらわす際に、年が明確な場合は年号のあとに括弧で皇紀なり西暦なりを補って、複数の出来事同士の間隔を示すのが通常の書き方*1


それ以外にも、説明板を設置した年を起点として、それぞれの出来事を「○○年前」と添える場合がある。
呉市音戸町波多見の八幡山神社の由緒書きは昭和14年2月設置のものが今も現役。当時の社格は「村社」。
例えば「現拜殿ハ嘉永六年八十六年ノ昔(春)地鎮祭ヲ行ヒ」のように、年号のあとに何年ノ昔と書かれる。

こうした古さの表現は、設置時にしか意味が無いと思いがちではあるけれど、設置した時そのものに重みをもたせる行為であると見れば、暦年で示す説明とは目的が異なる。

石段の麓にある平成4年設置の石碑の場合、括弧で西暦を補っているが、勧請されたとされる「天平宝字年間」については「今より(一,二〇〇)余年前の」と、なぜか括弧つきで書かれる*2。細かに「757-765」と書いてしまうと、まるで複数年にまたがる出来事のようにみえるのかもしれない。

*1:http://d.hatena.ne.jp/kanototori/20100527/1274972644 たまに「西歴」になったりする

*2:神社の略歴そのものについては http://d.hatena.ne.jp/kanototori/20110603/1307119003