牛田橋 一名神田橋、もと一本木二股の邊に在、直に神田八幡宮への路に出、水勢支へかたきを以、今地に移す、長六十間
『藝藩通志』巻七 安藝國廣島府ニ 橋梁津渡
とあるように、白島の北端近くの「一本木」*1から牛田村の「神田」へと渡る「神田橋」が、流されにくい下流へ移転した後も「神田橋」と呼ばれ続け、同書絵図にも書かれた。
同項目に廣島府の橋14ヶ所が載っていて、所在地の地名がそのまま橋の名となっているもの*2が多い中、所在地名以外を用いた橋名については由来が説明*3されたり推測*4されたりしている。
牛田に渡る「牛田橋」なら自明であるけれど、神田に架かっていないのに「神田橋」と呼ばれている現状については経緯の説明が必要になる。どちらを見出し語にするかとなると、実態に即した方の名前が択ばれる。