環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

円筒の向き

参道脇の石燈籠が見せたい面は、入り口に向けた面と横切る時に正対する面。さきの例では「慰霊」が表を向けて、紀年銘や奉納者・揮毫者が側面に載る。

別の参道では社殿の段に登り切った両脇に円筒形の石燈籠があって、表(入口側)に向けて「正四位勲四等伯爵阿部正桓」との奉納者銘に朱が入り、裏には「明治三十三年歳次庚子五月 正勝命三百年祭典之時謹獻」*1と二行で刻まれる。「謹獻」が正面に大書されるのではなく奉納者(継承者)の名が強調される。

*1:阿部正勝 1541−1600