環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

鋳直された鐘

石灯篭や玉垣は破損したりした部分を新しい石に入れ替えることで新旧の材料の混ざった状態があらわれる。

火災のあおりで鐘が破損してしまった後、もとの文様や銘文をそのままに鋳直されると、もとの「元亀三年」と新たな「延宝五年」のように両方の紀年銘が鋳込まれる。

右ノ鐘ハ延宝元年八幡宮焼失ノ砌破損仕用立不申ニ付
只今ノ鐘ハ鋳替候而下地ノ銘写シ則附申由候
『文政二年高宮郡 国郡志御用につき下調べ書出帳』1994.可部郷土史研究会

と、下町屋村の報告でも鐘銘とともに触れられている。