環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

賽神社石灯籠の「獻」

賽神社境内の石灯籠には「弘化五年 三月吉日」とある。西暦の1848年にあたる弘化五年は旧暦2月28日に嘉永元年に改まる。それよりちょっと前に刻まれたということだろうか。 大きく刻まれた「献燈」。「献」の字はいろいろな形を目にすることが多く、ここでは…

賽神社境内の記念碑

安佐南区長束。 可部線安芸長束駅と下祇園駅の中間あたりに「賽神踏切」があり、その西に長束神社の末社「賽神社」が鎮座している。 その境内にある「記念碑」を見ると、前項と同じように「念」の字の「ラ」部分は「二」の形をとっている。碑の全体をみると…

吉浦八幡の記念碑空間

吉浦八幡の山の麓の木陰にその忠魂碑はあって、昭和31年の建立に尽力した「二代目中野光次郎氏」の頌徳碑は「戦病死者記念碑」を挟んだ隣に立っている。 忠魂碑を挟むように位置する「戦病死者記念碑」と「凱旋記念碑」はどちらも明治39年の陸軍中将(当時)…

「碑」の点

石碑に刻まれる頻度の高い「碑」の字の場合、右上の点があるものも無いものも目にしやすい。下は南区比治山公園の加藤友三郎像跡の記念碑跡。 甲骨文字の「卑」にまで遡ると、「上部は杯形の器の形。下部はその柄を手にとる形で」(字統 新装普及版p710)あっ…

広島高等技術専門校前バス停

田方ランプの北にある交叉点が「田方二丁目北」で、北は山田・石内方面へ、東はすぐ古田台の入口となり、西が鬼ヶ城緑地を経て美鈴が丘方面に通じる道。 その西への道を挟むように高等技術専門校が位置する。 「田方」の次のバス停として「広島高等技術専門…

田方(たかた)

旧古江村の西部、鬼ヶ城山や行者山などの山地部分は「田方」一丁目から三丁目という南北に長い地域。 もとは古江の一部であったのだけれど、古江と田方で古田なのかと思ってしまうかも知れない。 古江や草津の後背地、というとずいぶん奥まった場所のような…

古江と山田で古田

その道路改修碑の頃の現地は佐伯郡「古田村」に属しており、昭和4年以降は広島市の一部となる。南部が西国街道沿いの「古江」、北西部が高井に通じる「山田」という二カ村の合併による。平地と山地の違いはありつつも、宅地開発が進んだことでどちらも「○○新…

古江の道路改修碑

この時代の記念碑は現代のものにくらべて年月日の文字がずいぶん大きい。 西区古江西にある明治四十三年の「道路改修碑」は、住宅街の小さな交差点の角、家庭ごみの収集スペースのあるような、人目につきやすい場所にある。 言及されている道路は、「加計縣…

大正四年の顕彰碑

その翌年、大正4年*1には安佐郡安村(当時)に「松本五助翁表彰碑」が建てられている。現在の安佐南区大町東三丁目、安川に架かる「共力橋」の南に位置する。*2 旧山陽道?(東原から大塚まで) 上の「古路・古道歴史散歩」のページの№98に紹介されている。 …

大正三年の開墾記念碑

五日市駅の南の埋立地のうち、みずとりの浜公園*1や海老山南が比較的近年の造成で、そこより内陸には藤垂園・吉見園・旭園といった、近代に耕地として開かれた住宅地が広がっている。 もとの海岸にあたる堤防の高まりが藤垂園と吉見園の南を縁取っている。 …

説明板諸相・広邑新墾碑

安芸阿賀駅と広駅の間に「新広駅」が新設されたのが平成14年*1のこと。 すでに触れたものでは「新広駅周辺案内図*2」があり、そこでは駅ができてからの地図が描かれている。当然ながら。 駅前の国道を東に向かうと交叉点があり、公民館のある方の角に石碑が…

狩留賀町案内図

国道31号よりも高い位置に呉線の線路は通っていて、かるが浜駅は駅前から階段を上がってホームに至る。 駅の東隣に架道橋があり、3.6mの高さ制限の道をくぐった先に狩留賀町の住宅地が集まっている。 線路下の「狩留賀町案内図」には「かるが浜駅」の記載は…

狩留賀かな

猪山隧道(呉市小田町)の次のバス停が、呉市狩留賀町の「狩留賀」バス停。 呉線の駅名は「かるが浜駅」。平成11年開業の駅で、昭和3年から42年まで置かれていた狩留賀駅(臨時)が復活したもの。 平仮名の「かるが」というのは、JR西日本の駅名の体系からす…

猪山隧道バス停

「隧道」も「トンネル」も意味は同じで、使われた時期の違いからなんとなくのイメージの違いが持たれている*1。 狩留賀町は「隧道」の名が目立つ二つのトンネルに挟まれた位置にあり、実際に「すいどう」と読むか「ずいどう」と読んでいるのかはさておき、「…

狩留賀町の国道工事

参照することの多い『新版 呉軍港案内』(呉郷土史研究会刊)*1は、扉と背表紙に「昭和九年版」とあるけれども、奥付には「昭和八年十二月五日印刷 昭和八年十二月十日發行」なので、意味するところはカレンダーや手帳などと同じく、「昭和九年に使われる予…