環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

鳥居の天地

「かべの町かど」の連載記事がなおwebで読めるということを珍重しつつ、藤の棚稲荷の載る「寺山」の項を見ると、「現在の稲荷社は、根の谷川の改修工事によって旧位置からおよそ40㍍上部に移転されたものである」という一文で終わっている。 もともとの社…

手水鉢とその周り

平成20年に設置された「熊谷の手水鉢」の記念碑は稲荷鳥居の南脇に立ち、そのすぐ奥に苔むした手水鉢が鎮まっている。苔とシダと藪に包まれた凹凸の著しい石の塊。 前世紀に『ファミリー可部』で連載された「かべの町かど」に載る「寺山」の項の稲荷社の写真…

頭上に奉納者

聖山稲生神社の鳥居のように、並び立つ鳥居の脚に奉納者の芳名と年月日が記されることが多い。 kanototori.hatenablog.jp 可部の寺山中腹に祀られている藤ノ棚稲荷にも複数の鳥居が連なるが、各奉納者の名前(地元商店の名が並ぶ)は額束の部分に取り付けられ…

連なる鳥居

稲荷の参道にいくつも並ぶ鳥居。 一つ一つの鳥居に「正一位伏見稲荷大明神」「正一位高寅稲荷大明神」の神名が取り付けてあるのが、丸子山不動院境内の稲荷。 同じく江波の聖山稲生神社では、密集する十数基の鳥居の最前に社号の札が見える。金属か樹脂製か。

稲荷の額

稲荷神社の朱の鳥居や拝殿に掛かる額はだいたい赤くない。 額の地の色が木の肌のままか黒かったりすると書かれている字はぼんやりしてくる。 廿日市の福左売神社境内の稲荷「藤稲荷大明神」は一基の鳥居のすぐ先に赤い拝殿。 竹原市の道の駅隣の「正一位玉福…

赤地の額

孝養門の奥には、平等院鳳凰堂を模した本堂があらわれる。 建物と同じく、額の地も朱に明るい。金字で「潮聲」の二字は大谷光照の揮毫。昭和23年に巡視に訪れている。同年に行われた入仏式には連枝大谷照乗を導師としている。

孝養門の額

孝養門正面の額はもちろん「孝養門」。黒地に金字で高い位置にあってもくっきり見える。(ズームしてるからでもある) 内側から見ると、「四誓偈」から「為衆開宝蔵」の額が見える。「本願寺連枝 端正院」とその印がある。薄暗いものの内側はやや高い位置にな…

孝養門の柵

さらに奥の壇に聳える孝養門は日光陽明門の写し。 中央扉は正月三が日のみ開かれる。門の前後を守る鉄柵は、開放された扉の中にもめぐらされて接触を防ぐ。 鉄柵の先端の飾りにも寺紋が見える。

耕三寺中門

瀬戸田の耕三寺は入口に山門(冥加の門)が立ち、すぐ先には法隆寺楼門を模した中門が控える。山門には扉に、中門には幕に寺紋(折敷に中陰蔦)が見える。 門の表には山号「潮聲山」、裏には寺号「耕三寺」の額がある。 kanototori.hatenablog.jp

門の紋をくぐる

大楠の奥、拝殿の手前に立つ神門でも折敷に三の字の紋を見上げる。ただここでは菊の紋の方が中心を占める。 扉に浮き出ているのも十六弁の菊。

神紋の突起

大鳥居の右脇には背の高い社号碑が立っている。 上部に神紋を据え、その下に「延喜式内社 伊豫国一宮」を二行に並べ、「大山祇神社」の字は全体の半分の広さを取る。 文字は掘りくぼめられていて紋章は突き出ている。ずいぶんと高いというか深い。

扁額の十一文字

その大鳥居の扁額は銅製で、青と白が混ざった地色に「日本総鎮守 大山積大明神」の字が浮き上がる。 同様の字の扁額は参道途中の総門にも掲げられていて、こちらは色鮮やか。 早稲田大学図書館所蔵の資料に「大山祇神社扁額」の拓本がある。「荻野三七彦旧蔵…

鳥居の脚

所変わって大三島の大山祇神社。大きな石の鳥居に刻まれた紀年は寛文9年。 脚の繋ぎ目の部分に干支の二字が重なっていて、「己酉」の字の下半分がわずかに見える。

松尾神社の狛犬

階段の上、松尾神社神殿の壇には狛犬が控えている。 どうも台座と像の質感がちぐはぐだが、台座の紀年銘には享和2年の奉納となる。石灯籠よりもふた回り新しい戌年にあたる。 正面の紋はぼんやりした線だけど立葵か。

米の字の磨耗

聰敏神社と同じく、福山八幡境内奥に鎮座する松尾神社。 階段下に立つ石灯籠は安永7年の奉納。 その古さは正面に大きく刻まれた「米中買」の字のおぼろげな輪郭に現れる。

台石の低さ

福山八幡境内の聡敏神社石灯篭は「下魚屋町中買中」による奉納。今の今町と笠岡町のあたりに魚問屋があった。 二段ある台座のうち、上段の石は上三分の一ほどが飾りのため字が刻めない。「下魚屋町」の四文字がちょうどおさまる高さの側面のため、屋号を持つ…

芳名林立

衝立のように参道脇に広がる芳名板と同じく、一件一件の奉納者名が石柱に刻まれて隙間なく並ぶ姿は、横に連なる長さが権威づけとなる。一件一件への顕彰でもあるけれど、数が増えるほど構成要素のごく一部に均される。 時代を経て百圓が百万圓になっても変わ…

東の参道脇

福山八幡宮は東西の御宮があり参道も二ヶ所ならんでいる。 東御宮の階段麓に「儀式殿建設記念」の芳名板が連なっている石三枚におよぶ。儀式殿は麓の「東参集殿」の奥にある。 連なる玉垣と同じく、長い参道には長い芳名が似合うと。

総経費の面

その屋根替えのために一般氏子中から188万五千円奉納されたのが表に刻まれている金額で、左側面には総経費280万円が大きく刻まれている。 下の隅には石工の名も刻まれている。それ自体はよくあるレイアウトながら、石工からも「金六千円」が出されていること…

屋根替えの芳名

福山八幡宮の「御屋根替記念」の石碑は表の面に六段にわたって寄付者の芳名が刻まれている。金額別のいろは順となっている。最後が「世良」さんの後に「川口」さんなのは何なのだろう。 筆頭には3万円の「山陽染工会社」の名があり、次の6件が2万円となる。…

奉賛会の記念碑

寄附の芳名板の形がいろいろある中で、石碑に金属板を嵌めて参道脇に立ててあるのは、末永く残るのはもちろん今現在参拝する人にしっかりと見えるようにという強調の度合いが強く見える。 福山市の艮神社の、900年記念の一連の慶祝事業を記念する石碑に寄付…

寄附者銘板

その鷲の像は猿猴川を背に翼を広げている。 足元には「モニュメント(記念碑)の由来」と寄付者名を連ねたプレートが据えられている。寄附者名の順序はところどころ五十音順なので、金額ごとの区切りがあるのだろうか。末尾には「金三萬円以上」と書いてある…

猿猴橋モニュメントの鷲

鷲の絵や像の場合、小さく佇んでいる姿よりは、大きく翼を広げて飛ぶ姿または飛ぼうとしている姿が見栄えがいい。 広島駅前の猿猴橋たもとには、大正時代に親柱にあった鷲の像が復元されたモニュメントが立っている。元来のものは金属供出で撤去されてしまっ…

獲物を見る目

水鳥は脚元の水面を見て、トンビやワシは遠くに動く動物を見るのだろう。首があっち向いたりこっち向いたりはしなさそう。 街灯の上にとまっていると足がよく見える。

狙いをつける鷺

まだ光南に広島高速が工事中だった頃、本川の浅瀬や筏にに佇む水鳥が朝夕の行き帰りのいつもの風景だった。場所変えて今もそうだけど。 ただ鷺が立っているだけだと代わり映えしないと感じてしまうが、水の中を物色して歩き回る姿を見ると、カメラに収めたく…

歩く鳥

飛べない鳥であることを描写するには歩いている姿を見せると、飛べないか飛ばないかで受け取ってくれそう。 こちらの画像は防府市の市街地で見かけたサギ。 立っている姿や歩いている姿は、その種類の鳥のイメージをノロノロしたものに傾ける。鷺はだいたい…

ゴンドラの麓

クイーンズタウンのkiwi &birdlife parkはロープウェイの麓駅手前にある。 行った時は時間外で園内には入れなかったけれど、大きなキーウィのシルエットが迎える入口から料金所までの道にも少し説明文や写真があったりした。

坂の下の巨鳥

オークランドの空港の、車道を跨ぐ陸橋の端が坂道になっていて、その直下の空間が植栽と鳥の像で埋められている。人が通らない場所の有効活用。 ニュージーランドの表玄関として、観光客を迎えるモニュメントはキウイを巨大にしてモアと並び立たせる。