環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

厳島神社標柱(西)

さて、右の「千秋」をいじったとしても、左の文字は
「皇澤洋々洽八洲」
「平仄平平仄仄平」
なので起句と承句にできない。
では、こちらの承句はいじらなくて済むからこのままにして、
起句のほうを変えてみよう。*1
「神   聳千秋」の四文字はそのままに、間の三文字を
「平平仄仄仄平平」になるように、「神徳」と「巍々」に代わる語を選ぶ。
例えば「神威矗々聳千秋」あたりで。
google:矗々で見ると樹木の高いさまを云う例が多いようではあるが、「たかい」ことには違いない。

【矗】 チク シュク しげる まっすぐ
会意 三直に従う。高くそびえ立つさまをいう。司馬相如の[上林の賦]「崇山矗矗」は山のそびえ立つさま、謝霊運の[山居の賦]「直陌、矗として其れ東西す」は真っ直ぐに長いさまをいう。
白川静字通平凡社

これでどうにか起承ができたものの、

起・承から順に作ると必ずといってよいほど頭太りの尻すぼみ式の、福助に似た詩になるのである。ここに私のいうのは初心者に妙法を説いているのだ。諸君が上達したら、どこからやってもよい。しかし上達すればするほど、転結からやるのがよいことがわかるのである。
太刀掛呂山『漢詩作法入門講座』名著普及会

というわけで、いかにも初心者ほど難しいやり方に挑むものだなと。*2

終わりに転句と結句の平仄を挙げて放置しておきましょう。誰かやるかも。
「ー仄ー平平仄仄」(「ー仄ー平仄平仄」でもよい)
「ー平ー仄仄平平」(「尤」韻)

    • 「ー」は平仄いずれでもよい。

*1:あくまで遊びですから

*2:漢詩を作ったこともないので挑みもしないが