環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

役宅ならべ

役宅*1は今で言う官舎。「頼杏坪役宅」は広島藩三次町奉行の役宅。頼杏坪が文政11年*2から三年間、三次町奉行として現地に赴いて生活した。

諸職の役宅

安中市の「旧安中藩郡奉行役宅」は安中城内にあり、郡奉行の役宅を復元したもの。意富山市の「浮田家住宅」は加賀藩の奥山廻役を務めた浮田家の役宅。群馬県「猿ヶ京関所資料館」の関守も世襲で、そのうち片野家役宅が資料館になっている。京都市中京区にあった角倉邸は、代々務めた河川奉行の役宅でもあった。
栃木県の桜町陣屋跡に現存する役宅は二宮金次郎の着任の際に建てられたもの。著名人の簡素な住居という点で、頼杏坪役宅と近しい。

幕末明治の役宅

箱館安政4年*3五稜郭築城がはじまり、郭外に付属の役宅の工事が始まったのが安政6年、十年後には箱館戦争という短命さ。
文久2年設置の京都守護職も短く、慶応3年に廃止。その敷地に京都府庁が建つ。
鳥取池田藩の港町橋津には藩倉が置かれ、年貢米の集散地となっていた。明治に設立の奨恵社は、藩倉を倉庫に、役宅を事務所に使い、金融・倉庫業を始めた。

日本銀行の役宅

武家の役宅ではなく、日本銀行の支店長の役宅。新潟市昭和8年の、福島市昭和2年建設の役宅が現存。当然ながら茅葺きではない。

*1:やくた

*2:1828年

*3:1857年