環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

「広島の遺跡を掘る」3 古代佐伯郡と役人

昭和57年、安佐南区祇園町で、長束西小学校と長束中学校の建設に先立って「権地遺跡」と「九郎杖遺跡」の発掘調査が行われた。
権地遺跡の権地古墓は深さ24cmの穴と、それを覆うように広がる黒色土の遺物包含層からなる。出土の石帯は7点あり、火葬された被葬者の遺骨などとともに埋められたとされる。「延喜式」の規定から、被葬者は七位以上の官人とされる。
西に聳える山々を越える道は己斐峠がある。峠を越えると石内に至り、石内川に沿って南下すると五日市に至る。古代駅制の大町駅に比定され、佐伯郡郡衙もこのあたりであろうとされる。
佐伯郡は平安後期に佐東郡佐西郡に分割される。


参考