環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

虹山(にじやま)と亀山(かめやま)

比較的歴史の短い地名で、『角川日本地名大辞典34』の記載は7行ばかり。

にじやま 虹山<安佐北区>
[近代]昭和46年〜現在の大字名。昭和47年からは可部町を冠称。はじめ可部町、同47年広島市、同55年からは安佐北区の大字。もとは安佐北区可部町大毛寺の一部。大字名の由来は、螺山によるという。明治19年螺山小学校が虹山簡易小学校、昭和16年亀山国民学校となる。同50年の世帯数1,429・人口5,193。同61年一部が亀山1〜9丁目・亀山南1〜5丁目となる。

地名の発生は明治から、大字になったのは昭和になって大字大毛寺から虹山団地の範囲を独立させたことによる。
可部町史』の「可部町域小学校沿革表」に見える「虹山」の付く学校はこのような変遷をたどる。

明治19年 螺山小学校が虹山簡易科小学に
明治20年 虹山簡易科小学が虹山簡易小学校に
明治23年 虹山簡易小学校と勝木簡易小学校が合併し高宮第九尋常小学校
明治24年 高宮第九尋常小学校が虹山尋常小学校と亀西尋常小学校に分かれる
明治45年 虹山尋常小学校が虹山尋常高等小学校に変更
昭和3年 虹山尋常高等小学校が亀山高等小学校と虹山尋常小学校に分かれる
昭和6年 亀山高等小学校を廃止し虹山尋常高等小学校に戻る
昭和16年 虹山尋常高等小学校が亀山国民学校となる(後の亀山小学校)

この年表中、明治22年以降は亀山村に属し、可部町に合併するのは昭和30年。新しい地名とはいいつつも、亀山よりは古い地名ということになる。もっとも、明治22年以前から「金亀山福王寺」に由来する「亀陽小学校(亀山村の範囲外)」「亀北小学校」「亀西小学校」が命名されているので、はっきり新古を決めにくい。



衛星写真の地図を見ると螺山の中腹に広がる団地がよく分かる。可部町の、では無く広島市のベッドタウンとなるべく生れた団地。