石碑前面に大きく「筆塚」とある。
竹冠を崩すと点が三つになる。
もう一つ、「熊野毛筆元祖頌徳之碑」の「筆」部分。こちらは草冠の形になっている。
確認のため『日本名跡大字典』*1で「筆」の例を見ると、崩しの強い形(二点または三点)に「小野道風尺牘」「藤原佐理恩命帖」「傳菅原道真長谷寺縁起」があり、草冠と同じ形(横画一本に縦画二本)に「空海狸毛筆奉獻表」「兼明親王暮春詩」がある。
このように、竹冠の字は運筆の都合によって草冠の異体字を作ることがある。*2
ということを踏まえて、google:竹冠 草冠で検索すると、具体的にどういう字で部首の混同・通用が起っているかが分かる。以下、検索結果の上位いくつかを分類し、そのリンクは脚注として示す。
通時・共時で共起
誤記
変わって日常のやりとりでは竹冠の字と草冠の字は、たとえ別の字と混同のおそれがなくても部首の通用はできない。固有名詞を仕事で扱うとなるとなおのこと。
説明のための併記 「管・菅」「籐・藤」「籃・藍」「竽・芋」
草冠と竹冠で、異体字の関係ではなく別々の字がある場合、前もってどちらの部首かを説明して混同を防ぐ*12。
また、画面への出力にあたっては、手書きなら「竿」の形で済ませてもいいが、「竽(竹冠に于/表示できない場合がある)」が別字としてある以上は「芋」を用いて説明することで正確を期する*13。
「籃*14」の字もまた、環境によって表示できるかどうかの微妙な字であり*15、「藍」との混同を招かないための説明がついて回る*16。
まとめてみると
-
- 草冠の字を竹冠に書き間違えるのは頻繁で、特定の字に限らない。
- 草冠も竹冠もどちらも変換候補に挙がるような字は特に混同しやすい。固有名詞はその都度確認を要す。
という具合に、さまざまのwebページを参考にさせて頂きました。御礼申し上げます。明けましておめでとうございます(唐突に)。
*2:字体 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%97%E4%BD%93
*3:引馬峠の水準点−2 http://www.geocities.co.jp/Athlete-Acropolis/3266/000-50-1.toku24.suijunten.hikimaya-2-07.09.16.html
*4:意符書換字 http://homepage2.nifty.com/Gat_Tin/kanji/ifukae.htm
*5:テストに書いたお馬鹿な解答 http://sagisou.sakura.ne.jp/~sakuchin/kazumi/04/47.html ・ Monologue46 (Hasumi) http://www5d.biglobe.ne.jp/~hasumi/doc2/mono46.html
*6:明治のおもかげ(文庫本読書倶楽部) http://www.j-cave.com/bunko/bk07.html ・ B旅とうほく: 【失笑!】松茸おにぎりあります?! http://b-tabi.seesaa.net/article/62024625.html
*7:しろくま的徒然草: バトンシリーズ http://blogs.dion.ne.jp/rancom/archives/cat_175910.html
*8:辰己丈夫の研究雑報: 小さな違いでも、当事者はたまに困る…という話 http://ttmtko.air-nifty.com/a/2007/06/post_1a24.html
*9:ほぼ日刊イトイ新聞 - 『言いまつがい』 http://www.1101.com/iimatugai/archive_more061107.html
*10:簑田浩二 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B0%91%E7%94%B0%E6%B5%A9%E4%BA%8C ・ 管野研一KEN'S WORKSHOP http://www.kens-workshop.com/profile01.html
*11:明日は晴れる http://www.nsknet.or.jp/~mickeith/hareru-1.html
*12:のれそれ屋 | ここで問題です http://blog.nr-sr.holy.jp/?eid=623470 ・ 名古屋市技能職団体連合会 中部籐商工同業会 http://www.meigiren.com/shiru/sei_dantai/sei_16.htm
*13:正倉院フォーラム・福岡 永井路子さん講演 : 正倉院フォーラム2007 : 天平の煌めき : 文化 伝統 : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) http://osaka.yomiuri.co.jp/shosoin/forum_news2007/st70902b.htm
*14:竹冠に監