環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

広島大学工学部跡

電車通りに近い健康センターの角にあるモニュメント。石積みの上に地球儀が立っていて、地球儀のすぐ下に校章が見える。
青いプレートは社団法人広島工業会の文章。

蜘蛛手に注ぐ三篠のデルタの一劃 ここ千田の地に全国より二萬の若人 夢を抱いて集い 語らい 學んで巣立つ學び舎は 今や西條の地に遷って早くも十二星霜 ことし創立七十五周年を迎え 懐いひとしお新たに記念としてここにモニュメントを建つ
平成七年五月吉日

黄色のプレートは建立時の説明。

 綿畑、いも畑、れんこん畑、野菜畑であったこの地に、大正9年広島高等工業学校が創設され、広島大学工学部と移りその間、一時、夜間の広島市工業専修学校も併設された。
 この地で学んだ人達が、戦前戦後を通じ産業界に貢献された事柄は枚挙にいとまがない程である。
 そしてこの地域は、青雲の志をいだき、学びにいそしむ学徒の姿に刺激された子供たちが多く育った。
 今工学部が東広島市へ移転するに当たり最期まで残っていた正門附近の石垣の被爆した石を集め思い出を語るよすがとして台を作り残すこととした。
平成元年9月

広島大学工学部の思い出として、この石積みを作り残されたことに対して感謝申し上げます。
千田町三丁目町内会
会長 池本 孝司