環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

ゆらゆら大歳

安佐南区祇園四丁目の大年神社。
広い平坦面の上で歓喜寺と隣り合っている。背後に小さな森を控えて北面する小祠。
安芸武田氏の古城(銀山城)の南の山裾に位置する。

往古、この社地は武田氏在城時、兵糧庫のあった所で農業祖神である大年神を奉斎したとの言い伝えがある。
広島市歴史科学教育事業団『石仏石神等民間信仰調査報告』1991

石段をあがって平坦面入口には石鳥居。そこには「大年神社」の文字。だいたいの地図はこの表記。

その石段をあがる前に注意書きがあって、

お願い
大利神社歓喜寺行事以外夜間の出入は遠慮して下さい
なお
神社佛閣に参詣して焚火をしないで下さい。
氏子総代

と、ここでは「大利」。
上掲『石仏石神等民間信仰調査報告』の、「大歳神・大年神歳徳神」には37箇所*1載っていて、多数を占める表記は「大歳」。「歳徳」は1例。
熊野町の「大年原」のように、「歳」と「年」にはっきりした区別はないでしょうが、
中には落合南九丁目の「大歳神社・大刀自神社」の併記があったり、
「おおとし・おとっさん・おおとっさん」などよみかたが少しづつ違ったりする。
このほか、「大歳」の音読みによって「だあさいさん*2」もあり、
「太宰社(ださーさん)」と載っているのは大毛寺の大歳神社で、「虹山の大歳神社」のこと。

*1:広島市内の調査

*2:口田南二丁目