環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

西条中央


「西条中央」一丁目〜八丁目は、『角川日本地名大辞典*1』(昭和62年)のころには無かった新しい地名。
同辞典の「西条町御薗宇*2」の項に、「農村地帯であるが、現在工事中の国道2号バイパスより北は市街化指定区域、南は市街化調整区域となっている。」と書かれているその「市街化指定区域」にあたる。
湾曲している黒瀬川と国道2号バイパスに挟まれた三角形の地域。
簡単に示してみるとこのような範囲。

市街化以前、田畑や山林の広がっていた状態から区画整理するにあたって、区域内の遺跡を調査・発掘したのが昭和56年〜58年。
例えば、現在の中央図書館の東側のブールバールを挟んだ丘陵上には「狐が城跡」があった。鏡山城と同時期の城で、支城(見張所などの役目)のような位置付けの城。

協議を重ねた結果、史跡三ツ城古墳及びその陪塚は都市計画区域の近隣公園の中に含めて保存と公開をはかること、県史跡野中完山の墓、大槙第1号古墳については現状で保存することになり、他の狐が城跡、古市古墓、石ヶ瀬すくも塚古墳、助平1号遺跡、助平2号遺跡、助平古墳、大槙?号遺跡、才ノ木古墓群、道照古墳については保存が困難な為、記録保存の措置を講ずることとし発掘調査を実施することとなった。
『西条第一土地区画整理事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告(I)』1983

同報告書には、「狐が城跡」「古市遺跡」「才ノ木古墓群」「古市古墳」「助平1号遺跡」「助平2号遺跡」の報告が載っている。

*1:広島県の地名

*2:みそのう