環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

穴をよけつつ四角を埋める

清神社の境内社伊勢大神宮(写真左:妻入の方)と椙若社(写真右)が並んでいる。
伊勢大神宮の由緒書きもまた木の穴をそのままに文章が連なる。

板の縁はまっすぐ長方形をなしていて、そのぶん、中にくいこむ大きな空隙を目立たせている。

神路山伊勢大神宮の記
伊勢大神宮は天照大神をお祀りした古社
で今から二百年前(明和 年代)鎮座の記録が残って
おり下迫部落(旧六日市)の氏神として尊崇さ れています。
当初は郡山城跡の中腹(郡山公園内上の展   望台の位
置)に祀られていましたが明治のはじめ清神社  の境内に
遷され現在地に移築されました。昭和 五十  三年
七月下迫部落の氏子中をはじめ  町 内外  の有志
の寄進により現在の社殿(大島作り)に改築しまし  た通稱「お伊
勢さん」で親しまれ昭和七年   頃まで  は毎年伊勢
から「大神楽」が訪れ道中  数ヶ所で神  楽など舞い町内
を賑わしていたものです。 春四月と秋 十月が例祭で
当屋(当番)制でお 祭りを奉 仕しております。
  伊勢大神宮    氏子中

字の大きさを調整しつつ、面上に空白の無いように敷き詰められている。基本的に漢字は大きく、平仮名は小さく、括弧や句読点は極力狭く。それでいて「大神楽」には「だいだいかぐら」の振り仮名もついている。