環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

島の動物

祥異ではない普通の動物については、巻十七の「風俗」の部に記されている。

一 島に猴鹿多く、市中に馴れ居る、猴は常に人家に入て、食物をぬすめども、これを罰せず、但神の供物にさはる時は、島人相集て狩り捕へ、牽まはして、能美島黒神島などへ放つ、
一 鹿は角切とて、八月頃、海に牽き行き、舟より角を鋸断す、角老ぬれば人に觸の患あればなり、又鹿の角は春落れど、己が食物とすといへり、此島にて、春にかぎらず、これを拾ふことあり、中にもふくろづのを得るを福とす、島に狗を畜はず、是鹿を害する故なるべし、房顕記に、大内氏の時、山犬狩のこと見ゆ、今ももし里の狗渡り来れば、島民捕へて、地方に渡すなり、また島に鹿を殺したる人あれば、其死鹿を負せて、市を牽き巡し、地方へ渡すといふ、


猿と鹿が代表的な獣で、逆に他の土地と違って犬がいないことが特徴とされる。
供物をいじった猿を他所に放つ場合は能美島黒神島へ、他所から渡ってきた犬や死んだ鹿は地方(対岸?)へ。

猫については、その当時はどうだったんだろう。