展望台には「瀬戸内海展望図」という横長の図があり、左は白木山から右は能美島までの山々の位置が示されている。
ながめてみると、能美島や似島の手前に絵の島(左)と大奈佐見島(右)が点々と。
対岸の方は廿日市の埋立地が目立つ。
『藝州厳島図會』の巻四は、巻頭に武林治庵*1の「彌山の佳景を寫す」が大書されている。
その文章の末尾が山頂での描写となっている。
…猿は啼き鹿は戯れて人も我も形を忘る。噫、是に日孁尊の辞譲、市杵姫の賢儀ありてこの山は更に其の霊秀を増す。隆なるかな。壮なるかな。四顧の一望、眼は数国を窮む。若し径界眄視すれば、淘海はこれ漳洋たり。古えより謂う、泰山に登りて天下を小なりとすと。今弥山に登りて始めて芸邦の大なるを知らんか。…
『宮島町史』