環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

水族の分類

土師ダムトップページインデックス 土師ダムトップページインデックス 土師ダムトップページインデックス
のサイト内の「周辺の生き物」のページに、土師ダムに生息する主な動物が紹介されている。
その分類は「哺乳類」「爬虫類」「両生類」「昆虫類」「鳥類」「魚類」が設けられ、それぞれに1〜3ページにわたって解説がある。「昆虫類」にクモが載っていることも含めて現代の一般的な括りかた。


前項の川本村も含めて、土師ダム近辺*1での分類を見てみると、「物産」のうちの動物の分類は以下の通り。

川本村 鳥の類 獣の類 水中生物之類 虫之類
中馬村 鳥類 毛物類 川魚類 虫類
桂村 鳥之類 獣之類 魚鼈之類 虫之類
長屋村 鳥類 毛物類 川魚類 虫類
佐々井村 鳥類 毛物類 川魚類 虫類


当時の本草学的な分類によって鳥・獣・魚・虫という四種類が大別されていて、具体的に村ごとに生息する動物をあてはめる際に少しばかり齟齬が生じる。
とくに「川魚類」の名では収まらない(とみなされたであろう)水棲動物が少なからずいて、カメやスッポンやタニシやカニなどの日常卑近な食材が挙げられる。それらの動物にあわせて分類名を変えるか(水中生物・魚鼈)、「川魚」とは分けて「虫之類」に入れるか(長屋・佐々井)の操作がなされる。中馬村の場合、江の川本流が流れていないこともあってか、魚以外の名は見えない*2

*1:高田郡史資料編』掲載の村から

*2:虫類の末尾に「外小虫数々居申候得共略仕候」とある