環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

井折から流れる川

芸藩通志編集資料 世羅郡下調べ書出帳集成』*1から、井折村の河川を見ると、

一 村内谷川 弐筋
 住屋川幅川上三尺川下五尺、水源村内助迫より流出、村内五丁三拾壱間流レ、川下本郷村板屋川江落申候、但シ砂川
 (略)

とある。この住屋川の流れる皆済谷は、面積が広く砂川なこともあって水不足の時期もあったらしいが、井折村の他の谷はいずれも水利が宜しいとある。そのぶん夏場の大雨に悩まされている。

形勢気候民戸産業之事
一 本郷皆済谷(略)水利者相応ニ御座候得共、格別照続キ申候得者、旱損所も出来仕申候
一 枝郷普光寺谷(略)天水所ニ而水利宜敷御座候
一 飛郷時永谷(略)水利潤沢ニ御座候
一 飛郷国久谷(略)水利者至極宜敷御座候、夏分雨永降リ仕候らへ者、水損所出来仕候、(略)


志びの木川 幅七尺
 水源井折村ヨリ流来、当村内三丁流、川下モ寺町村江落申候

本郷村の「村内谷川」の項では「志びの木川」となっている。
その川は本郷村を流れたのち、寺町村で大田川(芦田川)に合流する。なので、井折口でまっすぐに流れているこの川は境界とは関係なく、バス停のある旧国道を境に上流が本郷、下流が寺町となる。

*1:佐伯道之編.1998