環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

袋町地蔵尊

三篠の地蔵尊が田の中から掘り出されたのと同じように、袋町公園にある地蔵尊は平田屋川(広島城下の運河)*1に落下したものが引き揚げられて祀られたことに始まるという。

天正年間、広島築城にあたり平田屋川(現並木通り)を利用して材料を運んでいた時、地蔵尊を川に落としたまま放置していた。明暦の大火の後、地蔵尊が信者の枕元に立たれ「川の底に沈んでいるから揚げてくれ。火災を除け、子供を守るから」とお告げあり、この人が川から運びあげ、川のほとり(旧鉄砲屋町)にお祀りした。(略)
『石仏石神等 民間信仰調査報告』(広島市歴史科学教育事業団.1991)

鉄砲屋町」は八丁堀東部の「鉄砲町」とは別の町名で、現状と極端に離れているわけではない。

平田屋町南隣ヲ同町ニ並行シ 北ハ平田屋町 東ハ新川場町 西ハ中町ニ隣接ス
廣島市地名索引』(廣島灣要塞司令部.1912)

という、旧町名を使った説明でなんとなくわかるだろうか。

公園の東にある並木通り(看板の赤い筋)が平田屋川跡。