環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

三方が山

東ハ大谷山高ク朝日遅ク西ハ当村ノ内寺山低ク入日遅ク隠レ北ハ高松古城山東山ニ続キ北風ヲ防キ(略)
『文政二年高宮郡 国郡志御用につき下調べ書出帳』可部郷土史研究会.1994 p138

というふうに、上原村の地勢が説明されている。

現在は住宅団地が裾野に広がる東側の山林部。御鷹山・沼田ヶ原山・新建山などが、鬼ヶ城山・白木山の山系の一部を成している。

それら東方の奥深い山々に比べると西部の寺山は低い。春の午後六時になる頃に、麓近くの棚田に影が差すといった具合。

北には高松山などがそびえていて、寺山と高松山の間には「台川」が流れる。寺山の東側の谷は、その「台」の集落へ通じるちょっとした峠の道。車道が整備されることでさらに高低差は小さくなっている。