環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

台川の端

台川は、全長2kmもない小川ながら、上流部は上原村の「臺」などに、根の谷川に合流する下流部は下町屋村の「東原」などに分かれる。前者が現在の可部東六丁目で、後者が可部東五丁目にあたる。*1

下流部では寺山の山裾に沿うように南へ曲がりつつ根谷川に合流する。直前で河川敷の道路が横切り、寺山の上からは階段が通じていて、駐輪場が近い。


藝藩通志』下町屋村の絵図では合流点近くに「勝円寺跡」「正善(喜?)院跡」と書かれている。『書出帳』下町屋村ではそういった地名のみを残す古寺跡が「勝円寺」「正喜院」など12ヶ所挙がっている。熊谷氏の菩提所観音寺の脇寺かという*2*3

右古寺跡ト申伝候得共地名斗残リ居申候退転ノ年号等相知不申候
『国郡志御用につき下調べ書出帳』下町屋村

*1:藝藩通志』絵図には、同郡大林村に「臺」、桐原村に「臺ヶ原」が川沿いの地名として見える

*2:『日本歴史地名大系35』

*3:寺山の曼陀羅寺の末寺十二坊にも「勝円寺」の地名が残る、と上原村の方に書かれている