環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

汗馬の「がきが首」

皆賀一丁目の東が井口四丁目。佐伯区と西区との境「汗馬(阿瀬波)」は鈴が峰の南西に延びる丘陵。


西国街道の路傍に「餓鬼の首地蔵」の祠がある。平成21年設置の説明板「西国街道 いのくち歴史の散歩道」が隣に立っていて、「餓鬼の首」と呼ばれた場所の洞穴に安置されていたもので、海の安全を願うお地蔵さんだったとある。まだ埋立地もないころの井口は、鈴が峰の南斜面がすぐ海まで迫る平地の少ない地形*1

説明板下には岡岷山の『都志見往来諸勝圖』から「汗馬」と「八幡川」の頁が紹介されている。
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説明文中では、この「がきが首」という地名について岷山が「がきとハいかにもいやしき名なるが」他の呼び名はないものか、と保井田村の庄屋に尋ねたところ、「此邊ニてハ小山の嶮なるものをがきと申ならハし候」と答えたといったことが『都志見往来日記』に記されているとある。へたに語源が不明になっているような時代だったら「餓鬼」の語感を忌んで別の名前を付けかねなかったところ。
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その応答の部分はWebギャラリーに公開されている。読めないでもない小さい画像で。