環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

「神田」の広がり


もとの「神田」の意味が、「神社の費用を弁ずるために設けられた田」*1という、とある耕地の一区域から始まったとすると、それが集落の名になり神社そのものの名になりというふうに、本来指し示す面以外の場所をひとくくりに表すのに便利な拡大しやすい言葉なのだろう。


さらに関連する地名が派生して、背後の山を神田山・神田山の上に神田山荘・正面を流れる太田川神田川・それに架かる橋を神田橋というふうに周辺に「神田」の語が定着する。
神田神社そのものが宇品へ移転しても、もとの平地の住所が牛田新町や牛田本町の一部にとりこまれても、いろいろな形で生き残っている。

*1:『地名の語源』角川小辞典p100