環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

古さの証拠

単に樹齢何百年という古さを誇ろうとしても、年数に幅がありすぎるとそれを見る人は割り引いて見当をつける。
「〇〇手植えの松」という特徴を持たせると、古い話になると信憑性が薄くなり、近代の王侯将相*1の権威を帯びたものは、古くないだけでなく「形式的」という色を帯びてありふれたものと化してしまう。

権威があって(由緒が明らかで)、なおかつ他にない特徴を持たせるには、結局のところ地道に長年月かけて育てて古さと大きさを獲得するほかない。
明治19年に植えられた「吉野桜」は、説明板に吉川家元執事長の日記をそのまま抜粋している。「全国で二番目に古いソメイヨシノ」を名乗れるとあってはそれを強調しないわけにはいかないのだろう。

*1:とか国際的な肩書きのある人など