環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

神武正統記念碑

岩国徴古館の庭の中に立つ「神武正統記念碑」は、明治25年片山武助による片山伯耆流の顕彰碑。流祖片山久安の経歴に始まり、岩国で吉川家に仕えた際に生まれた子の久隆から代々伝えられた「止戈之術」の流れを記す。その終わりは「明治六年廃刀令之下家業亦止」こととなった久寿。


28行あるうちの冒頭10行が久安の事績に割かれている。豊臣秀次に召されて話したり、豊臣秀頼にも教えたり、演武を後陽成天皇の叡覧に備えたり、といったあたりが特に誇る記述なのだろう。「以礒之波法備 叡覧」の部分で闕字を広く取っている。
この碑文も『岩国金石文集』(岩国徴古館.1986)に掲載されている。