環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

他の郡のこと

その『高宮郡へ来た幕府巡見使』(下野岩太.昭和51年)は、可部の木坂文書(南原屋)に残された、天保9年の幕府巡見使を迎えるにあたっての諸控を紹介、書き写した本のこと。
村々の組頭が巡見使のお尋ねにどう答えるかを定めた問答集の部分は、可部という地域に特有の問答もあればどこでも通用するたぐいの受け答えも想定される。
(佐々井厳島神社
中には別の地域のことを尋ねられることも想定して、「高田郡佐々井村鉄山之義御尋候ハハ」の場合、「先年穴掘仕候旨御届候も相続不仕趣ニ承傳候」と答えるよう決められる。ただし、案内の者が佐々井村に近い所の住人ならそう答えるよう心得ておき、他所の者なら「承及ひ不申旨」答えるようにとある。