環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

伊藤博文の書

水道資料館入口西側には「大勲位侯爵*1伊藤博文」の「深仁厚澤」の石額がある。もとはポンプ室正面に設置されていた。*2勅令により造られた水道なので君徳を讚えている。さんずいもみずみずしい。このあたりは海が近いので満潮時には川の流れが逆に向いていたり止まって見えたりする。
昼夜をおかず流れた太田川の水が淀んでコレラの温床にならないようにきれいにしてデルタをうるおすよ、という浴恩。これが明治31年日清戦争はその4年前。
著名人で能筆なので「伊藤博文 書」で検索するとざくざくある。画像google:image:伊藤博文 書もずらりとある。署名は「博文」「春畝山人」「滄浪閣主人」などが見られる。
同趣の石額に柳ケ瀬トンネル滋賀県側入口の「萬世永頼」(複製)がある。こちらは峻険というか雄渾というか、山の風情。明治17年にトンネル完成。

*1:「1895.8.5侯に陞爵(日清戦争の功)」 小田部雄次華族』の華族一覧から

*2:当時の写真が広島市の水道の歴史 に