環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「金箔瓦の系譜」の断片

本島知辰の「月堂見聞集」巻之二十二(享保十五年*1)の一節。 ○松梅院の庭中を掘ぬれば、金像の入し壺五つ六つあり、金の竹流しもありし由也、其外所々に少づゝ埋みたる金もあり、或人の説に、これは四代已前の松梅院の娘は秀次公の愛妾也、此時に拝領の物…

「金箔瓦の系譜」の都市

11月13日から12月12日まで広島城天守閣*1で開催中の「金箔瓦の系譜」は、昨年出土した金箔鯱瓦を中心に、関連する金箔瓦や城郭・寺院の瓦を見ることができる。 map:x132.459025y34.402253:hybrid:w450そこの展示品のひとつ、毛利氏時代の屋敷割をあらわして…

広瀬神社

輝元の広島築城とともに洞春寺も移転し、城下の広瀬村へ。 洞春寺の鎮守として厳島大明神を勧請したらしく、それが現在の広瀬神社にあたる。 その辺の起源を『藝藩通志』は断定的に書いていない。 廣瀬社 (略)舊稱廣瀬辨財天、享保中に、廣瀬大明神と改め…

洞春寺移転後

墓所にまっすぐ延びる石畳の道。その傍らに「洞春寺跡」の碑と説明板。 天正の菩提寺建立の後、広島・山口・萩・山口と、毛利氏の拠点の移動とともに洞春寺も移転していった。「祐長老答国司広邑書」の「広島へ洞春寺を被為移候節に参懸都而*1広嶋にて之御様…

沈が峠

元就墓所と嘯岳禅師墓所の間の道に、「広島県自然歩道案内図」がある。 西の麓の相合から、東の麓の四軒屋を結ぶ山伝いの道。さらに甲立方面へ*1。 map:x132.705188y34.674564:hybrid:w450 東西の尾根伝いの道に対して、大通院谷が北に食い込むように峠をつ…

嘯岳禅師の墓

元就墓所からの登山道の途中に、「右 嘯岳禅師墓 左郡山登山道」という道しるべ。 ここから墓への道はそこまで長いものでもないけれども、道は墓で行き止まりなので、城跡へ登る人にとっては正面を見ることがない。 洞春寺*1の開山である嘯岳鼎虎の墓は、天…

本丸へ八〇〇米

元就墓所には休憩所の建物があり、郭の配置図や登山ルートの案内図が掲示されている。 その案内図では現在地から本丸まで赤い線で示してあり、距離にして800m、所要時間20分とある。ただ、最短ルートではなく、分岐点から釣井之段・姫之丸・釜屋之段・厩之段…

墓所への道しるべ

御蔵屋敷之段は、本丸方面だけでなくそれをとりまく郭とも連結する。麓への道には勢溜りが控えていて守りを固めている。 もう一つ、西への道が分かれていて、そこから元就の墓などのある墓所の区域へ通じて麓に至る。 道しるべには「おはか所下り口」とある…

釣井之段跡

御蔵屋敷之段と姫之丸の間に位置するのが釣井之段。説明板にはその規模を「長さ75m、幅15m」とする。前項の「覚書」での距離よりもかなり長い。 その名のとおり井戸の遺構が残っている。『弔古誌』にも「井モ埋リ水モナシ」と引用される。 周囲に木が並ん…

近世の郡山城跡の要素

「此外丸数多有之候得共委細ハ知れ不申候」(「高田郡村々覚書」*1)・「此外丸数余多アリト雖モ名ヲ知ル者ナシ」(「弔古録」*2)というふうに、後世に伝わっている名前をたよりに配置が説明される。なので、戦国当時の呼称や範囲とは違うこともあるかもし…

姫之丸

郡山の山頂に本丸があり、南に向いて二の丸、三の丸と連なる。それらを取り巻く曲輪が稜線に沿って全方位に延びていた。 「姫之丸」は本丸の背後に位置していて、近世の村では吉田村ではなく山部*1村に属する。 吉田村の「国郡志御用ニ付下しらべ書出帳」(…

五年目

吉田運動公園

そんな合流点から、多治比川の上流を見ると、薄い緑の屋根が目立つ。吉田町相合555-1にある吉田運動公園。 その名を刻んだ横長の碑は「1992年*112月」とある。 建物のそばには「百万一心の町吉田」の碑が立っている。「毛利元就公の御遺訓である」云々との説…

郡山の山容

南北の角度をきっちり示した案内図。 郡山の南に吉田の市街地が広がる。その中の街路は南北ではなく北東-南西を軸とする。 役場の東、新町のあたりから山を望むと、なだらかな山塊が迫って見える。北は全部郡山、といったふうに。 多治比川をさかのぼって西…

吉田郡山百名城記念碑

という名前なのかどうか知らないけれども、 郡山城への登山道の一つ、大通院谷の砂防公園に真新しい石碑が聳える。 山を象るその岩は、ゲタ状の台石によって高さと裾野を確保。 平成18年に郡山城が日本百名城に選ばれたことから、翌年建立されたもの。

散り敷いて横臥

寝かせた石、というか横長の石の場合、縦書きの場合は箇条書きのスペースが確保できたり*1、 横書きになると寺の名前(別名)*2をゆったりと、周囲の植物を遮ることなく提示する。 どちらも、じかに置くのでなく二つの台石が足のように介して高くなる。 句碑…