環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

「つらなりたれる」意の「えい」

『字通』は五十音順に並んでいるので、
「エイ」の音が続く中に、女児に首飾りをかけた「嬰」を声苻とした字が三つ。
手偏の「攖」は「ふれる、めぐらす、からめる」。
病垂れの「癭」は首にできた瘤のこと。
糸偏の「纓」は冠のひも。公家装束でいうと後ろに垂れたり(垂纓)立たせたり(御立纓)巻いたりした(巻纓)長方形の部分。
同じ系統でも「オウ」の音のところには木偏の「櫻*1」、下が瓦の「甖*2」、下が缶の「罌*3」、口偏の「嚶*4」、鳥の「鸚*5」があって意味は異なっている。

縮景園の中心の池の名が「濯纓池*6」。「櫻」に間違えている案内図も見かけるが、園内の桜も梅も折ってはいけない。
頼春水の「題縮景園詩」の其の三から。

孤亭不知夏 四達俯滄池
有客纓宜濯 何人襟不披
紛華世波遠 堂構古風知
深坐迎涼月 金鱗躍碧漪*7

池畔の悠々亭(写真中央)で月を眺めていたら鯉が水面をとんでいて、しみじみと監督の采配とかに思いを巡らせていたとかいなかったとか。

*1:さくら

*2:かめ

*3:ほとぎ

*4:なく

*5:おうむ

*6:たくえいち

*7:ヘキイ:あおいさざなみ