環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

背後の寺山

今ある寺院によって「寺山」というわけではなく、『竹原下市一邑志』(元禄六年)に、「山上昔有弁財天之堂故為山名」とある。

北から照蓮寺・西方寺・長生寺が山腹に建っていて、すぐ麓には本町通りを軸に中世末以来の街区(町並み保存地区)が広がっている。

その旧市街地を絵図にしたとき、自然と寺山を背後に描く向きになり、山の中に霞む*1堂宇だけでなく、高く聳える石垣も目立つ存在となる。

また、この寺山は山津波を起こし易い地質であるので、これに接する町を災害から守るために山裾に石垣を築いて崩壊防止を図らねばならない。ここに寺院を立地させて、その門前に石垣を構築することが町の防災にもなったわけである。
CiNii 論文 - 

8. 竹原の伝統的街区に関する研究 その2 : 社寺と公共建築(計画)


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	 		8. 竹原の伝統的街区に関する研究 その2 : 社寺と公共建築(計画)

*1:塗装の剥落