環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

巴(ともえ)

鶴羽根神社の神紋は三つ巴。八幡宮のみならず多くの神社で使われる。
円を頭とすると左三つ巴、尾の飛び出る向きでは右三つ巴。文献によって、時代によって同じ呼び名でも対象の向きが違っていたりする。
故実に当たったり、巴のデザインの由来に遡ったりして回転の方向を決める。すくなくとも一つの本の中では統一しておかないといけない。魂である、水の渦巻きである、鞆の形であるなど、いろいろ見出せるほどに原初的な形である。
実際に紋を描く上絵師からすると、渦を巻く向き(頭がどちらか)で考えるのではなく「卍」が「左まんじ」と呼ぶのと同様に鉤の出る方向、尾の出る方向で呼び習わす。作図の手順も円を書いてから尾を書く。覚え方として、

まず左掌を握って手首を見ます。するとその形が左巴の形になっているのです。右掌を握れば、たちどころに右巴の形が現れるわけです。
泡坂妻夫『家紋の話』p61

とある。右手で殴る向きが右巴ということだ。別に殴らんでもよろしいが。
さらに鶴羽根神社の紋が「右三つ巴」であると覚えるには、「広島浅野家の「違い鷹の羽」の紋が右重ねであるのと同じ」と覚えるといい。今考えた。*1

参考

*1:次項参照