環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

こうらぼし

お堀に泳ぐ亀は石垣で日光浴。
青空文庫を「亀」で検索。多すぎた。

 連想は飛ぶが、夏の真昼、熱くやけた石の上に、亀が甲羅を干してるのは普通のことである。それは亀の習性であり、はがゆいような愛嬌がないでもない。また、日のあたった石垣の上などに、蜊蜴がじっと蹲まって、そのぎらぎらした色彩で息づいてる事がある。それもまあよかろう。――更に、ふだんは木蔭にでも潜んでいる筈の蛇が、草と土の匂いがむーっと漂ってる場所に、日光の直射を受けながら、とぐろを巻いてることが時折ある。その、草と土の匂いの中で日光に照らされてる蛇のうちには、如何なる夢想がはぐくまれることであろうか。その夢想が情熱にまで熱せられる時には、如何なるものとなるであろうか。
豊島与志雄 砂漠の情熱


夏の情景を見れば多少は寒さもやわらぐか。砂漠の夢想からは遠のくけれども。