東区の路傍で見かけた「衛」の略字「彳ヱ」。これのぎょうにんべんを取ると中国の簡体字に似。
出自は限定しがたいが、「彳ヱ」(衛)は、自衛隊、医療関係者に限らず、各方面で看板、メモなどに書かれる。この「ヱ」を「エ」に置き換えた現代的な「彳エ」も見られる。前者は、一時期、中国でも使われており、簡体字の選定時に影響を及ぼした。
笹原宏之『国字の位相と展開』p565
とあるものの実例。
「公衛協」とは、
http://www.kanhokyo.or.jp/2_tiiki/2020_koueikyo.html
にあるように「公衆衛生推進協議会」の略。なので、医療関係者の範疇。
略語だから略字が似合う、と言ってもよいし、表示する素材が略字を要求してもいる。
プロパンガスなどの容器には、文字を構成する線が途切れ途切れになっていることがある。これは、型抜きという手法により点画の表現に制約を受けたためである。
前掲p532
この場合は鉢植えの側面に型抜き。
もし「衛」の字だと、せっかく型を作っても容器に滲んで潰れてしまいそうな気配。
参考
