環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

「大正時代の広島修学旅行」2 浅野公園

大正2年10月15日、縮景園の一隅に「わが国初の私立美術館」である「觀古館」が開館した。大正4年3月の観覧人員9,370人(うち本県人7303人)の中に修学旅行の一行が含まれているのだろう。作文中に「鶴のやさしきに人目をなぐさむ」とあり、その後浅野公園(縮景園)の池の丹頂鶴も「愛らしきに心を奪はる」と書いている。たぶん他の生徒も鶴しか覚えていないことだろう。引率の先生あたりが「これが先帝陛下の天覧に供した蘆雪の絵ですよ」みたいなことを説明したかもしれない。してないかもしれない。そもそもその鶴のことを言っているのかも知らない。
縮景園は観古館開館とともに一般開放された。丹頂鶴のつがいは大正3年7月7日に浅野長勲夫妻の長寿の祝いとして下賜されたもの。雄がつーっと飛んで雌がるーっと飛んでくる(はず)。

参考