環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

「トンガ坊城遺跡」5 「トンガ坊」

地名の由来は不明とのことで、遊び甲斐がある。

  • まずは、「トン」と「ガ」と「ボウ」で分けても良いか。
    • もし変化の結果なら、元の形をいろいろ想像する。
      • 「トウ・ドウ・ドン」から「トン」へ*1
      • 「トンア」から「トンガ」へ*2
      • 「トガノボウ・トガンボウ」から「トンガボウ」へ*3
      • 「ハエ・バエ」から「ボウ」へ*4
  • 変化していないとしたら、「が」は助詞で、「ボウ」は寺社の宿坊の「坊」としておく。
    • 「トン」を和語とするか漢語とするか
      • 和語とすると、『地名の語源』に「トンノ 山腹の野。〔頓(トン)野〕・富野(トンノ)・殿野・塔(トン)ノ奥・殿垣内(トンノカイト)」とあって地形に合う。
      • 上の引用のように「頓」や「塔」の漢語をあてて仏教的な地名にすることもできる。
    • 周辺の地名に合うかどうか
      • 同じ上町屋村に日ノ宮大明神があり、その社僧の家のある地名に「上坊」「前坊」がある。社僧だった東善坊(東前坊)は下町屋村にあり、山倉川と専隆寺がわに挟まれて上町屋との境界にある。他に村内には「坊河内」の地名がある。
  • (追加)人名ということにすれば地形のことを考えずに済む。南国出身「トンガ房」

結局のところ、まるっきり同じ地名を探せば手っ取り早いわけですが。

参考

    • 鏡味完二・鏡味明克『地名の語源』角川小辞典13 昭和52
    • 『文政二年高宮郡国郡志御用につき下調べ書出帳』可部郷土史研究会 平成6

*1:塔・堂・泥・峠など

*2:有名ではない「頓阿」がいたとして

*3:栂など

*4:碆など