環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

地御前駅

大正14年7月15日に地御前駅が広島瓦斯電軌宮島線の終点として開業する。それまでは国鉄が村内を通過するのみだった。
同年に書かれた「地御前村基本調査」に、

同線は村の東口宮内川より鉄道と並行して走り南町に至る。是より同会社所属の自動車にて火立岩連絡船桟橋に至り、海路厳島に達す。

とあり、当時の運賃は己斐〜地御前間が27銭*1、地御前〜桟橋の自動車が9銭となっている。
桟橋へ向う国道0.7マイルは厳島観光の導入ともいえ、同じく「地御前村基本調査」に、

沿道には内海屈指の称ある地御前海水浴場をはじめとして、地御前神社 火立岩 相覧場 御上り場 運勝の鼻 等名勝史蹟多く、且つ一路平坦にして砥の如く、海に面する路側には漆喰にて美しき塗垣を作ってある。

と描写されている。
とはいえ自動車での移動は暫定的なもので、翌年には「新宮島駅」が開業して桟橋に接続することになる。
宮島駅についてはこちらのブログが詳しい様子。

やはり地元の人の書く記事だと安心感がある。こういう感じの、公民館単位くらいの範囲を扱うブログがあちこちにあればいい。

参考

廿日市町史資料編IV』廿日市町 1981

*1:現在の運賃が190円