環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

美波羅川

広く江田庄と括られた三谿郡西部地域。そこで一番大きな川が「美波羅川」で、みよし風土記の丘の東を流れて馬洗川に合流している。源流は世羅郡の青水。

前項と同じくふるさとの川と桃源郷 (芸備選書)
p47からp53は「美波羅川-正しくは三原川。美波羅川は風流人のつけた名称-」という記事で、明治二十年代に「美波羅川」という統一呼称を与えられたことなどが記されている。語源の「三原」から表記を変えて用いたものという。

三谿郡での呼び名に「西川」があるものの、流域の村単位では東西南北を冠する必要性は少なかったろう。強いて言えば「大川」ではあるけれど、

一 大川 壱筋
 川上当郡三若村より流来、川下海渡村へ流込申候
(略)川名何与申儀茂無御座候

三谿郡石原村国郡志御用書上帳」(『三次市史4』三次市.2004所収)

固有名詞が無くとも日常では差し支えなかったと見える。