環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

船峠馬頭観音

北広島町の新庄*1と志路原*2を結ぶ道を船峠*3という。火野山*4と加計山に挟まれている。
南北両方とも緩やかな勾配で、整備された車道はところどころ曲折あるが概ねまっすぐ。

新庄方面に下る途中の道路沿いに見えるのが馬頭観音堂(上の地図上のポイントとは無関係)。
堂内にある説明は以下のよう。

この馬頭観音は牛馬の保護と安全を守ってくださる神様です。砂鉄や米の運送でにぎわった幕末の安政三年(一八五六)に志路原との村境に近い「水船」の地に勧請されました。
戦後、道路の改良工事で路線から離れ、その上、昭和三十八年の豪雪でお堂が倒壊しましたので同年十一月に「嘉助原」の地に移転し現在に及んでおります。
さらに平成十五年(二〇〇三)地元の有志によりお堂が改築され、先人の心が受け継がれています。

藝藩通志』の村の説明では北の「新庄村」は「居民商を兼ね、又鐵線*5、鐵釘*6等の冶場あり、稍生理を資く」とあり、南の「志路原村」は「割鐵二場あり、民農餘に鍛用の炭を焼く」とある。もちろんその周辺の村々も同様に製鉄が盛んだった。

*1:大朝町

*2:豊平町

*3:ふなだお

*4:吉川氏の火野山城跡

*5:はりがね

*6:かなくぎ