その「わが命を」などの歌をうけて、香川南浜が「遊長門島記」に一首を載せる。
八幡の祠あり、星霜物ふりたるさま、いと殊勝なり、傍に辨財天の祠あり、此處に、しばしやすらひ、古をおもひ、かくぞ思ひつゞけぬ、
いくよへて、我をや待し、小松原、長門の島を、けふ見つる哉、
明治になって「八幡宮」は「桂浜神社」の名称になる。
万葉集史跡の長大な記念碑に、八首の歌が載り、その下段に
（略）千有餘年前韓土に使せし人〃の吟詠にのれる瀧つ瀬も名残を存し神祠及び松原は今も昔ながらの風趣を傳へて懐古の情うたゝ切なるを覺ゆ
紀元二千六百三年*1
廣島文理科大學教授 栗田元次撰
廣島高等師範学校講師 井上政雄書
と記される。
