範囲を狭め、『文政二年高宮郡*1 国郡志御用につき下調べ書出帳』*2から、竜を祀る小祠を挙げてみると5ケ所。
絵図では隣に「上畠池」という池が描かれており、本文中に「但此内ニ小島有之土器山ト名附往古ヨリ御神供ノ土器ヲ捨申候島ニ御座候」とある。現在は住宅団地となっていて池は無い。
「カウタイ」という所に竜王が一社あると書かれている。他の村の地名で「郷台」の表記があるのでこれもおそらく同義の地名。鈴張川とその支流の合流点近くに描かれている。その対岸の本郷烏帽子には「竜王ノ沖」の地名が見られる。
「社後岩穴ニ雨乞仕候節長五尺斗ノ蛇出候由」とある。
周辺の地形は、「北ニハ堂床山高ク聳裾野福王寺山ト流合谷水左右ニ分レ滑谷大畠谷トナリ」という、山に挟まれたところ。
本文には「滝王」とあるが、絵図に従う。神体は「石仏御尺一尺」。
絵図では「山嵜」という尾根の先端に描かれている。ここで川が合流する。
という具合に、ひとまずは水に関わる場所ということを再確認。