環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

廻神(めぐりかみ)

そんなふうに、神杉地区内の三地域は広い平地によって密接なつながりを持っている。「廻神」地名の由来は高杉村の知波夜比古神社の由緒と結びついて伝えられた。
藝藩通志』の紹介するのは、

俗傳に云、昔、高杉村に、千早彦神、勸請の時神輿、此村をめぐり給ひしより、名とすと

と、神そのものでなく「神輿」の巡廻と記す。
知波夜比古神社の由緒(『広島県神社誌』)では、地名起源説話として、神のめぐった足跡を細かに記す。

二宮明神様(日子穂々出見尊)は廻神泉水の四番口に天降り給い、尊のヨボシ(烏帽子)が脱げ落ちたので、その地をヌケヨボシと称した。次に足留山で一宿され、次いで魚切の烏帽子掛の岩の池で御手を洗い給われたので手水池という。さらに廻神郷布久の家で一宿され、翌朝、手水の後に、我は向うに見ゆる杉の木の元に鎮座すと御神勅せられ、現在の地に奉祀したと伝える。

この内の、「手水池」については『藝藩通志』にも古蹟名勝として立項されているが、「廻神村、山中にあり、瀑泉岩を穿て、池をなす、里俗八幡の御手水池といへり」と、別の神*1になぞらえた名称を伝える。
これらの諸伝承は、現代においては神杉地区のまちづくりの活動にとりいれられている。

○まちづくりビジョン
・基本目標
天下り伝説の里に〜
人々がふれあい、地域が輝くまちづくり

・将来像
か 神杉の歴史と自然にふれあうまち(歴史・環境)
1.歴史的資源の活用と伝統行事の継承
2.四季感あふれるまちづくり
3.綺麗なまち、安心な環境づくりの推進
4.省エネルギー・資源リサイクルの推進
(下略)
http://www.city.miyoshi.hiroshima.jp/chiiki_m/machi_dukuri/jichi_soshiki/jichi_syoukai/kamisugi.jsp

*1:辻塚の八幡宮