キャンプ場の入口、安佐北大橋を見上げる位置に柳瀬バス停がある。
緑井からの路線バスが弘億団地・筒瀬を経由してここで終点となる。
「やなせ」の由来について、『国郡志御用につき下調べ書出帳』はふたつを挙げる。
柳瀬村ハ川筋ニ而其処ノ模様或ハ大木抔*1在之類ヲ以名ト仕候歟
往古柳ノ木有之瀬ヲ柳瀬ト唱来リ候物ト相見エ
文政の当時の状態として「柳のある瀬」といえる風景ではなかったということだろうか。川からの目標物となるような植物に由来するのだろうという想定。続けて
一説ニハ御簗所掛候処ヲ柳瀬ト申候歟
と、鮎をとるための藩営の簗が設置されたことによるという説を挙げるが、
是又簗瀬エ簗掛候義詳ニ無之
と、すぐ川下の河戸の御簗所(下り簗)の存在は知られていても、柳瀬村に御簗所は不詳ということでその説はしりぞけられ、
柳瀬ノ方相当可仕ト奉存候
と、穏当な方として柳の木の由来を採用する。
藩の統制の加わる以前の簗漁がどうだったのか、にもよるだろうけれど。
*1:など