区画整理事業の始まる前の、普通のアスファルト舗装道路の傍らに、ひっそりと埋もれかけていた「交通安全」の碑。明治百年記念*1として「二葉ノ里國鉄町内会」によって「献備」。
埋もれて隠れていた根元部分が露わになり、刻字も墨がついてよく目立つようになった。雨に濡れるとなお色濃い。
「東照宮」の字の下に小さくある「元櫻の馬場参道」もくっきりと。
櫻埒 東照宮の下、一條の大道兩傍に、多く櫻花を植う、故に櫻馬場とよべり、左右は田畝にて、野趣あり、花時の佳觀、桃林に相並び、亦城東の一名勝たり、
『藝藩通志』巻八 安藝國廣島府三 名勝古蹟
通志では広島府(城下)の名勝古蹟に18ヶ所を載せていて、そのうち景色が賞美された「名勝」に相当するのが5ヶ所。その筆頭に縮景園対岸の「桃林」が挙がる。それに次ぐ城下近郊の名所として桜の馬場があった。
*1:昭和43年