鳥居の手前の階段は右に「大正十二年十月吉日」とあり、左側には前項にあるように「寄付者 字小田」の名前が刻まれている。墨があるとないとでは見やすさが違う。
拝殿に上がる階段も同じく大正12年。ここでは側面に寄付者と年月と石工の名がある。「當村」は「安佐郡口田村」のこと。
松笠山のふもとから、よい石(みかげ石)がとれるので、小田には石工さんがたくさん住んでいました。
p75『ふるさと口田111』1985.広島市立口田小学校
とあるのは「三、口田のうつりかわり」の章の第5節「明治のころ」の記述。
同書の17頁には「そのころの3年生が書いた作文」の写真が載っていて、「ワタクシノ村ハアサゴヲリニアリマス」と書かれている。74頁の小見出し「安佐郡口田村」に「ごおり」と振り仮名を特に付しているのは、そういうご当地の実例が裏付けになっている。