環藝録

写真でつなぐ広島風物記録

椋もむくむく

鳥居をくぐってすぐ、左手にあるのが椋の巨樹。根元には台があって「お休みください」と。
前項と同じく『いのくちばなし』から、「大歳神社の社叢」より。

 三百年をこす、あおぎ(くろがねもち)が三本、どれも秋になると、真っ赤に実がなります。
 古老の話では、鳥が実を食べて、付近にふんをしたのが自生して大きくなったものらしい。(略)
 樹齢四百年をこえるこけむした椋の木があります。十五メートルぐらい上の枝のほら穴に昭和二十年ごろまではフクロウが巣をつくり、七・八月ごろになると、五・六匹の雛が、かえっておりました。
 それから、何十本と生えている杉の木は、今から九十年くらい前に、十八・九になる娘さんが植えたものです。そのさいに、銀杏(ギンナン)の雄木と雌木も植えたそうですが、雌木の方は、実がなるからなかなか大きくなりません。

その他、樫・松・藤・ヤブツバキ・ヤブニッケイなどなど、いろいろな種類の木がいろいろな時期に育ってきた。